【第38回 介護福祉士試験】介護の基本・第9問|多職種連携と専門職の役割

第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験「介護の基本」第9問を解説します。老健における在宅復帰カンファレンスを題材に、リハビリ職の違いや各「計画書」の作成者を分かりやすく整理します。

第38回 介護福祉士国家試験 <介護の基本> 第9問

📝 問題文(出題情報)

次の記述のうち、介護老人保健施設における在宅復帰に向けたカンファレンスで、介護福祉士が連携する職種の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。

選択肢

  1. 歯科衛生士が、義歯を作成する。
  2. 看護師が、車いすを貸与する。
  3. 介護支援専門員(ケアマネジャー)が、訪問介護計画を作成する。
  4. 福祉用具専門相談員が、下肢の機能訓練をする。
  5. 作業療法士が、自宅の玄関の段差を確認する。
正解:5(作業療法士が、自宅の玄関の段差を確認する)

この問題は、在宅復帰の際に行われるカンファレンスにおいて各専門職がどのような役割を担うかを問うものです。作業療法士(OT)は、日常生活をスムーズに送るための応用的動作能力の回復や、社会適応能力の維持・改善を専門としています。「自宅の玄関の段差」といった生活環境の確認や評価、福祉用具のアドバイスを行うことは、まさに作業療法士の重要な役割の一つです。

❌ 他の選択肢の誤りと正しい職種

職種と業務の対応がずれている点に注目すると、それぞれの誤りの構造が見えてきます。

選択肢 誤りの理由(正しい職種)
選択肢1
歯科衛生士
義歯(入れ歯)を作成するのは歯科医師です。歯科衛生士は、口腔清掃の指導や歯科診療の補助などを担当します。
選択肢2
看護師
車いすなどの福祉用具の貸与(レンタル)に関わるのは、主に福祉用具専門相談員です。看護師の専門は医学的判断に基づくケアや健康管理です。
選択肢3
介護支援専門員
老健の介護支援専門員は施設でのケアプランや全体調整を行いますが、個別の「訪問介護計画」を作成するのは訪問介護事業所のサービス提供責任者です。
選択肢4
福祉用具専門相談員
下肢の機能訓練(リハビリテーション)を専門的に行うのは、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)です。福祉用具専門相談員は、用具の選定や使い方の説明を担当します。

📌 講師のぼやき:試験対策のツボ

職種名と業務内容の「境界線」を整理しよう!

❶ リハビリ職 3人の違い

  • 理学療法士(PT): 座る、立つ、歩くなどの「身体の基本動作」の回復を支援。
  • 作業療法士(OT): 食事、排泄、入浴などの「生活の応用動作」や、環境調整・社会適応を支援。
  • 言語聴覚士(ST): 話す・聞くといった「言語・コミュニケーション」機能や、「摂食・嚥下(飲み込み)」機能を支援。

❷ 「計画書」の作成者を混同しない

「計画」という言葉のつく書類は複数存在し、作成者を取り違えやすいポイントです。今回の問題に関連する2つを確実に覚えてください。

  • 訪問介護計画を作成するのは → サービス提供責任者
  • 居宅サービス計画(ケアプラン)を作成するのは → 介護支援専門員

※なお、現場での通称である「ケアマネジャー」は、試験問題では正式名称の「介護支援専門員」として出題されます。問題文を読む際は、この名称の違いに注意しておきましょう。

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