【第38回 介護福祉士試験】介護の基本・第4問|避難所での要配慮者支援、正解を導く考え方
第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験「介護の基本」領域の第4問を解説します。災害時の避難所における要配慮者への対応や、多様性を尊重する支援の考え方について分かりやすくまとめました。
第38回 介護福祉士国家試験 <介護の基本> 第4問
📝 過去問
指定避難所での要配慮者に対する生活支援として、最も適切なものを1つ選んでください。
選択肢
- 避難所内の情報提供には、音声やピクトグラムも取り入れる
- 避難所内では、二次避難に備えて土足で過ごしてもらう
- 食事は、被災者の平等性・公平性の観点から全員に同じものを提供する
- トイレは、感染予防のために和式便器が望ましい
- 生活範囲は、区画されたスペースに限定する
正解と解説
【なぜ「1」が正解なのか】
避難所には実に多様な人々が集まります。目や耳の不自由な方、知的障害のある方、日本語を母語としない外国籍の方など、掲示物の文字だけでは情報が届かないケースが少なくありません。
音声アナウンスや、直感的に意味が伝わるピクトグラム(絵文字・絵記号)を組み合わせることで、誰一人取り残さない情報保障が実現します。これはまさに「多様性への配慮」の実践です。
❌ 各選択肢はなぜ誤りか
-
選択肢2(土足での生活)
土足を許容すると、床を生活の場として使う避難者の衛生環境が悪化します。実際の避難所運営では、土足エリアと土足厳禁エリアを分けて管理するのが一般的です。 -
選択肢3(全員に同じ食事)
食物アレルギーや嚥下機能の低下、宗教・信条による食事制限など、食に関わる個別ニーズは多岐にわたります。「平等=同一」ではなく、「平等=それぞれのニーズに応じた支援」という視点が求められます。 -
選択肢4(和式便器)
下肢筋力の低下した高齢者や車いす使用者にとって、和式便器は身体的な負担が非常に大きく、転倒リスクも高まります。バリアフリーの観点から、洋式便器の確保・整備が推奨されます。 -
選択肢5(生活範囲の限定)
区画内に閉じ込めるような生活は、身体活動の著しい低下を招きます。長時間同じ姿勢での生活が続くと、深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)や廃用症候群のリスクが高まるほか、精神的なストレスにもつながります。
💡 設問の本質とポイント
📌 この問題で問われていること
この設問は、災害時における要配慮者支援の理念を理解しているかどうかを問うています。
試験で問われるキーワードとして、以下を押さえておきましょう。
| ✅ 正解になりやすい視点 | ❌ 誤答になりやすい表現 |
|---|---|
| 個別性 | 一律・画一 |
| 多様性への配慮 | 全員同じ・限定 |
| 利用者中心 | 強制・完全統一 |
💡 現場にもつながる視点
「一律」「強制」「限定」は試験での誤答サインですが、これは単なる受験テクニックではありません。
現場において、高齢者や障害のある方への支援はその人の状況や背景に合わせて行うものです。
災害時という非日常の状況でも、この基本は変わりません。むしろ、平常時に身につけた「個別性を大切にする姿勢」が、いざというときに自然に出てくるかどうかが問われます。
試験対策として理念を覚えることと、現場でその理念を実践すること——その両方を意識して学習を進めていきましょう。
※第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)の出題内容をもとに、学習支援を目的として作成した解説記事です。
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