介護職としてのキャリアアップに欠かせない「実務者研修」。その中でも多くの受講生が不安を感じるのが、喀痰吸引や経管栄養などの「医療的ケア」です。
「自分にできるか不安…」「もし失敗したらどうしよう」
そんな悩みを抱えるあなたへ、篠原介護スクールの現役講師が、合格するための重要ポイントと現場での実践テクニックを分かりやすく解説します。
なぜ介護職に「医療的ケア」が必要なのか?
かつて医療職だけの仕事だった「たんの吸引」や「経管栄養」。しかし、高齢化が進む現代では、病院だけでなく施設や在宅でも日常的なケアが求められています。
2012年の法改正により、一定の研修を受けた介護職員は、医師・看護師との連携のもとでこれらのケアを実施できるようになりました。これにより、利用者は住み慣れた場所で安心して暮らすことができ、介護職としてのあなたの市場価値も大きく向上します。
【図解】実務者研修の学習ロードマップ
医療的ケアの習得は、以下の3ステップで進みます。まずは全体像を把握しましょう。
まずは座学で「なぜそのケアが必要か」という根拠や、人体の構造、感染症対策の理論を学びます。(50時間以上)
学校で人体模型を使い、喀痰吸引や経管栄養の手順を練習します。ここでの試験合格が次のステップへの鍵です。
実際に施設や病院で、利用者様に対してケアを行います。指導看護師の評価を受け、晴れて認定となります。
合格の分かれ道!喀痰吸引・経管栄養のポイント
1. 喀痰吸引:最重要は「清潔・不潔」の区別
演習試験で不合格になる最大の原因は、技術不足ではなく「不潔操作」です。カテーテルなどの滅菌された器具を、汚れた場所(不潔域)に触れさせてしまうと、その時点で試験は中止となります。
- カテーテルの袋の内側
- 滅菌水が入ったカップの中
- 手袋をした手(処置する手)
- カテーテルそのもの
- テーブルの表面
- ゴミ箱や廃棄物入れ
- 自分の服やベッドの柵
- カテーテルの外袋の表面
ここが試験の落とし穴!
カテーテルを取り出す際、うっかり袋の外側やテーブルに先端が触れてしまう受講生が多いです。「見えないバリア」を意識して、慎重に取り扱うことが合格への近道です。
2. 経管栄養:角度と確認が命
胃に直接栄養剤を入れる経管栄養では、「逆流による誤嚥性肺炎」が最大のリスクです。これを防ぐため、以下の手順を徹底します。
- 体位の確保:必ず上体を30度〜60度に起こします。フラットな状態での注入は厳禁です。
- 位置の確認:注入前に聴診器で胃泡音(空気が入る音)を確認し、チューブが正しく胃に入っているかチェックします。
どこまでできる?介護職の医療行為○×一覧
実務者研修を修了しても、全ての医療行為ができるわけではありません。法的な境界線を整理しました。
| 行為の種類 | 介護職の実施 | 備考 |
|---|---|---|
| 体温・血圧測定 | ◎ | 研修なしでもOK |
| パルスオキシメーター | ◎ | 装着のみOK |
| 喀痰吸引 | ○ | 研修・認定が必要 |
| 経管栄養 | ○ | 研修・認定が必要 |
| インスリン注射 | × | 医療職のみ(一部自己注射補助は可) |
| 摘便・床ずれ処置 | × | 医療職のみ |
受講生が失敗しないための3つの鉄則
- 「ホウレンソウ」は命綱:いつもと顔色が違う、チューブの様子がおかしいと感じたら、自分の判断で進めず、直ちに看護師を呼びましょう。
- 爪と身だしなみ:演習試験では、手順だけでなく「医療従事者としての態度」も見られます。爪は短く切り、清潔感を保ちましょう。
- 諦めない心:手順は多くて大変ですが、身体が覚えるまで何度でも練習させてくれます。不合格でも補講制度があるスクールを選べば安心です。
講師からのメッセージ
「私にはできないかも…」と心配な方は、安心してください。
実は当スクールでは、これまでの不合格者は0名です。
私たち講師が、合格できるまで丁寧に指導をしますので、安心して飛び込んできてくださいね。
