「医療的ケア」という言葉について、具体的に何を指すのか、ご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、実務者研修で学ぶ「医療的ケア」の具体的な内容と、介護職員にとってこのスキルがどのような意義を持つのかを解説します。
「医療的ケア」の定義と背景
医療的ケアとは、主に喀痰吸引と経管栄養の2つの行為を指します。高齢化に伴い、在宅や介護施設でこれらのケアが必要な利用者が増加したため、2012年の法改正により、一定の研修を修了した介護職員が、医師や看護師との連携のもと、これらのケアを実施することが可能になりました。
- 喀痰吸引: のどや鼻、気管カニューレ内部の痰を吸引し、呼吸を楽にするケア。誤嚥性肺炎や窒息の予防に重要な役割を果たします。
- 経管栄養: 口から食事が難しい方に、チューブを使って栄養剤を注入するケア。利用者様の安定した栄養摂取をサポートします。
【補足】 医療的ケアを業務として実施するには、実務者研修の修了に加え、働く施設(事業所)での「実地研修」を別途修了する必要があります。
多職種連携につながる
医療的ケアの現場では、医師や看護師との密接な連携が不可欠です。
実務者研修で知識を学ぶことで、たとえ自身が医療的ケアを直接実施することはなくても、相手(看護師など)の業務内容を深く理解することができます。これにより、現場での円滑で安全な細かい連携が図れるようになります。
卒業生の中からも、「看護師の業務の準備や片付けのフォローが的確に行えるようになった」といった体験談が寄せられており、これは介護の質向上に直結します。
篠原介護スクールでの学習方法
「医療的ケア」は専門的で難しそう、と不安に感じるかもしれません。
篠原介護スクールでは、自宅で学ぶEラーニングと、経験豊富な講師による対面で行う実技演習(スクーリング)を組み合わせ、効率的に学習を進めます。
学習ステップと特長
- ① 知識の習得 (Eラーニング): 医療的ケアの基本や、安全管理、感染予防などに関する知識を学びます。自分のペースで進められ、通学の負担がありません。
- ② 実技の習得 (通学:最短7日間): 喀痰吸引と経管栄養の演習を、経験豊富な講師のもとで実践的に行います。通学日数が少ないため、仕事や家庭と両立しやすいのが特長です。
まとめ:専門性を高めるための一つのステップ
医療的ケアは、利用者様の安全を守り、介護の質を向上させるための重要なスキルの一つです。このスキルを実務者研修で習得することが、介護職としての専門性を高めることにつながります。
篠原介護スクールでは、医療的ケアの知識と実技について、経験豊富な講師が指導にあたります。
介護職員が実施できる2つのケア