【第38回 介護福祉士試験】介護の基本・第5問|ユニバーサルデザイン7原則、正解を導く考え方

第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験「介護の基本」領域の第5問を解説します。ユニバーサルデザインの7原則に関する問題をもとに、暗記に頼らず本質を理解する学習法とUDの考え方について学びます。

第38回 介護福祉士国家試験 <介護の基本> 第5問

📝 過去問

ユニバーサルデザインの7原則に関する記述として、最も適切なものを1つ選んでください。

選択肢

  1. 安全で使いやすいデザインにする
  2. 要介護高齢者を対象とする
  3. 個別対応より標準化を優先する
  4. 介護福祉職にとって操作しやすいことを優先する
  5. デザインの美しさを優先する

正解と解説

正解:1

【なぜ「1」が正解なのか】

ユニバーサルデザインの7原則のひとつに、「うっかりミスや意図しない操作をしても危険が生じないこと(誤使用への寛容性)」があります。

「安全で使いやすいデザイン」という表現は、この原則の考え方と一致しています。また、「使いやすさ」はUD全体を貫くテーマでもあるため、選択肢の中で最も適切です。

❌ 各選択肢はなぜ誤りか

  • 選択肢2(要介護高齢者を対象とする)
    UDの出発点は「特定の誰かのために」ではなく、「できる限り多くの人が、特別な配慮なしに使えること」です。対象を限定した時点で、UDの考え方から外れます。
  • 選択肢3(個別対応より標準化を優先する)
    7原則のひとつに「使う上での自由度・柔軟性」があります。一つの使い方を押しつけるのではなく、多様な使い方に対応できる設計が求められます。標準化の押しつけはこれに反します。
  • 選択肢4(介護福祉職にとって操作しやすいことを優先する)
    UDは支援者だけが使いやすければよいという発想ではありません。利用者本人を含む、あらゆる人にとっての使いやすさが前提です。
  • 選択肢5(デザインの美しさを優先する)
    美しさは否定されるものではありませんが、UDが優先するのは「公平に使えること」「わかりやすいこと」「身体的負担が少ないこと」「安全であること」です。美しさはあくまで付加価値の位置づけです。

📌 ユニバーサルデザインの7原則 まとめ

原則 ひとことで言うと 身近な例
① 誰でも公平に使える 差別なく、誰にでも同じように提供できる 多目的トイレ
② 使い方の自由度が高い 利き手や個人差を選ばない 左右どちらでも使えるハサミ
③ 使い方が直感的にわかる 経験や言語力に頼らず理解できる 絵文字メニュー
④ 必要な情報がすぐ伝わる 感覚的な違いで情報を伝える 非常口の光るサイン
⑤ うっかりミスをしても安全 誤操作のリスクと危険を最小化する 誤飲防止の開けにくいキャップ
⑥ 少ない力で楽に使える 身体的な負担が小さい 自動ドア・レバー式蛇口
⑦ 使うのに適切な空間がある 体型・姿勢・移動手段を選ばない 車いすでも通れる広い改札

💡 「覚える」より「わかる」を意識する

そもそもユニバーサルデザインとは何か——一言で言えば、「最初から、みんなが使えるように設計する」という考え方です。

高齢者、障害のある人、子ども、外国籍の人、すべての人が対象です。「後から特別対応する」のではなく、「最初からそうしておく」点が重要です。

この本質さえ理解していれば、選択肢2〜5がなぜ外れるかは自然に判断できます。

試験対策において、知識を丸暗記するより概念を理解する方が効率的なのはこういう理由からです。7原則もひとつひとつ丸暗記するより、「なぜこの原則があるのか」を考えながら学ぶと、記憶にも定着しやすく応用も利きます。

※第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)の出題内容をもとに、学習支援を目的として作成した解説記事です。

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